全日本選抜亀井選手の報告
「第5回 日台大学軟式野球親善国際大会に参加して」
弘前大学 亀井岳秋
2009年12月8日~15日にかけて、私は台湾の台北市で行われた親善大会に
日本代表チーム(Japan)の一員として参加させていただきました。そこで
私が経験したことや感じたことをこの場を借りて述べさせていただきます。
まず初めに簡単な遠征内容と選手団の紹介から行います。

○遠征内容
12月8日(火) 成田の球場で初の全体顔合わせ・練習。成田のホテル泊
9日(水) 結団式、移動(成田→台北)
10日(木) 全日練習。台湾の学生と交流食事会
11日(金) 午後練習
12日(土) 東呉大学・中国文化大と試合
13日(日) 社会人チーム・台湾大学と試合。交流食事会
14日(月) 台北市内観光
15日(火) 移動(台北→成田)、解団式
○選手団
団長、監督、コーチ、トレーナー、総務、投手8名(1名辞退により7名)、
捕手3名、内野手7名、外野手4名の計26名
(詳細http://junbf.jp/2009alljapanmenber.pdf全日本大学軟式野球連盟HP参照)。
ちなみに私は内野手として選考していただきました。
○日程
12月8日(火)
この日は午後から3~4時間練習を行いました。メニューとしては、アップ、
キャッチボール、ノック(ピッチング練習)、ハーフバッティング、ダウンという
ものでした。練習する日は全部で三日間あったのですが、練習メニューとしては特に
奇抜なものはなく、どこの大学でも行っているような基本的なものでした。練習で特に
監督、コーチから徹底して言われたことは、この短期間の中寄せ集めの選手でいい
チームを作るためにはとにかく“コミュニケーションをたくさんとる”ということでした。
このことをしっかり意識して全練習に取り組みました。
アップ、ダウンはこの日限定で千葉ロッテマリーンズのトレーナーの方が来て
指導していただきました(軟式には硬式のようにプロがアマに指導してはいけない
という規定はないみたいです)。アップではジョギング、ストレッチ、体操、
アジリティー、ダッシュ等を1時間かけてしっかり行いかなりの汗をかきました。
ダウンはジョギング、ストレッチ等に30分かけました。そのトレーナーの方は練習
の最後に選手全体に向けて「身体が細い、ある程度のパフォーマンスをするためには
必要最低限の筋肉が必要で、基本的なトレーニングは指導者のいないチームにだってできるはず。」
というような事もおっしゃっていました。Japanのメンバーですら言われることなので、
これは全国の多くの選手にも共通した課題であると私は思いました。
ノックでは“とにかく声を出す”ことでした。練習を盛り上げることは
もちろんですが、特に連携プレーに関してはそれぞれ声をかけて確認したり、
練習を止めて話し合ったりしました。この日はノック主体の練習で、ハーフバッティングは
一人5球程度打っておわりました。
そして夜にホテルでミーティングを行いました。監督、コーチからはチームの指針を、
トレーナーからは身体のケアについて指導していただきました。全体ミーティング後に
選手だけでさらにミーティングを行い練習で気になった点などを話し合いました。
12月9日(水)
結団式
移動
12月10日(木)
この日は午前に守備練習(投手:ランニング、ピッチング)、午後に打撃練習をしました。
ノックは8日の練習同様に行い話し合ったことを実際のプレーで確認しました。
ハーフバッティングは5球×4セット。その後バントとエンドランを1セットずつ行いました
(この間ランナーをつけて走塁練習も兼ねる)。
12月11日(金)
この日は練習最終日で、実際にピッチャーが投げる実践形式の打撃練習をしました。
一人2打数立つことができたのですが、バッター全体で打ったヒットはわずか1本。
Japanピッチャー陣のすごさを身をもって感じました。
12月12日(土)
第一試合 計
日本代表 2 1 4 3 2 0 2 14
東呉大学 0 0 0 0 0 0 0 0
バッテリー
長野、深澤、矢野―西尾
第二試合 計
文化大学 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
日本代表 0 0 0 0 1 0 3 3 x 7
バッテリー
村上、与那覇、石川、古久保―小関
12月13日(日)
第一試合 計
日本代表 7 1 0 0 0 0 0 0 4 12
玉峰棒球隊 0 0 0 0 0 0 0 0 1 1
バッテリー
石川、深澤、古久保―小関、小向
第二試合 計
日本代表 13 0 3 4 4 2 4 24
台湾大学 0 0 0 0 0 0 0 0
バッテリー
与那覇、長野―西尾
12月14日(月)
観光
12月15日(火)
移動
解団式
○最後に
試合結果は見ての通りです。改めてこのチームのすごさを感じました。投手陣は
4試合でわずか1失点と文句なしの安定感でしたし、野手陣は長打、単打に足を絡めて、
個々の特性をこれでもかとばかりに発揮していました。私は3試合に出させていただき
ましたが打撃面では5打数1安打と、なかなか胸を張って貢献できたとは言い難い結果で
ありました。
以上の内容で遠征の一切が終わり、私が一番思ったことは「もっともっとこのチームで野球がしたい」
ということでした。こんなに高いレベルで野球ができることは、一野球人としてとても幸せな
ことだと思います。また、せっかくこのように強いチームで野球ができるのであれば、
やはり様々な国のナショナルチーム同士で試合がしたいという気持ちもありました。
そのためにも国際レベルでの軟式野球の普及活動が必要なことを改めて感じました。
さて、国際レベルとまではいきませんが、私にも軟式野球の普及、発展に少しでも
貢献できることはないか、ということを考えました。そこで、奥羽地区の各チームの
方々に、私の経験を伝えることで少しでも役に立てればと思いこの場をお借りしました。
ここでは、この遠征で得た全国各地の様々なチームの状況等をお伝えしたいと思います。
まず、各大学の軟式野球部の指導者の有無についてですが、奥羽地区同様、
やはり指導者がいないチームの方が多いようです。
また、チームによって練習量も様々で、全体練習が週一日のところもあれば、
週六日のところもありました。その週一日のみ全体練習をするチームでは、
そのことをしっかり意識して、一日で他のチームの数日分をやれるように集中して
質のいい練習を心掛けているようで、「それでも勝てることを証明してやりたい」
というモチベーションも持っているとのことです。
これも大学軟式野球部特有の話ですが、高校で野球をやっていなかった部員についてです。
やはり高校で野球をやってきたかどうかで実力の差は否めないようです。ただ、
これは先日の西日本大会で上位までいったチームの話なのですが、そのチームは部員の
約半数が高校野球未経験者らしいのです。そして、レギュラーのほとんどは高校野球経験者
だそうです。そこでそのチームでは、レギュラー陣が前半でしっかり試合が決まる程のリードを
取って、後半はほとんど選手を変えてなるべく皆が試合に出られるようにしているようです。
レギュラーとして出るからには、仲間を途中から出せる試合展開に持っていく責任が
あるとのことでした。それを西日本大会という大きな舞台でも毎試合やり通した
というから驚きです。ただ「勝つ」という目標では終わらず、さらにその上をチーム
全体で目指している姿勢に、「勝つ」以上の価値を私は感じました。
次に、大学間での交流の話です。関東の方では毎年、地区選抜チームによる
トーナメント方式の大会が行われているようで、奥羽地区でも昨年秋に青森、秋田の選抜チームで
一試合をしましたが、あちらの方では定期的にそのような交流が行われているようです。
また、大学によっては、地区が異なっていても毎年合同合宿を行っている大学同士も
あるようでした。地理的なことやあまり前例がないことから、奥羽地区では大学間の
交流がなかなか盛んには行われていなかったと思います。他の様々なチームと交流
することによって自分達自身のことを客観的に見ることができ、また多くの刺激を
もらえると思うので、新しく取り組んでみる価値は大いにあると思います。
再確認したことは、大学軟式野球では全てのチームに大きな可能性があるということです。
指導者のいるチームが少ないということからも、いい意味、悪い意味で選手自身が
多くの決定権を持ち行動できます。要は自分達次第だと思います。せっかくやるから
には悔いが残らぬよう思いっきりやって、少しでも自分達の求めているものに
近づいてほしいなあと思います。そのために私ができることが何かあれば、
現役を引退した身ではありますが、お手伝いさせていただきたいと思っています。
奥羽地区のますますの発展をお祈り申し上げて締めさせていただきます。
最後になりましたが、今回の遠征にあたりお世話になりました関係者のすべての
方々にお礼を申し上げます。おかげさまでとてもよい経験をさせていただきました。
本当にありがとうございました。